もくじ
文法とは?
まず「そもそも文法って何?」というところから確認したい。 けどその前に「文法」を定義するのに必要な用語をいくつか準備しよう。
語とは?
文の最小単位の「語」という概念から確認する。
定義
一定の意味や機能を持った文字の並びを語(word)という。
たとえば「p」も「e」も「n」も1文字だけでは意味も機能も持たない。 それが「pen」と並べばペンという特定の意味を持った語になって名詞としての機能を持つ。 語は文法上の最小の単位だから「なぜpとeとnがpenと並ぶとペンを意味するのか?」という問題は文法では扱えない。
定義
大文字で始まり「.」または「?」または「!」で終わる1語以上の語の集まりを文(sentence)という。
たとえば「Hello!」や「No problem.」や「What's your name?」はすべて文だ。 文は文法上の最大の単位だから、複数の文が集まってどのように文章を作るのかという話題は文法では扱えない。
働きとは?
語や語の集まりは文の中で主に次の5つの働きのどれかをしている。
定義
- 文の中で「〜が」にあたる部分を主語(subject)という。
- 文の中で「〜する」「〜だ」にあたる部分を述語(predicate)という。
- 文の中で「〜を」や「〜に」にあたる部分を目的語(object)という。
- 文の中で主語や目的語とイコールになる部分を補語(compliment)という。
- 「いつ」「どこで」「なぜ」「どのように」「どれくらい」などの補足を加える働きを修飾(modification)といい、修飾していることば修飾語(midifier)という。
- 対象の範囲を明確にする働きを限定(determination)という。
次の例文を見てみよう。
- I study English.(私は英語を学んでいる)
- They work at this office.(彼らはこのオフィスで働いている)
- Their work is great.(彼らの仕事は素晴らしい)
(1)の例文の「study」と(2)の例文の「work」は、違う語だけども、どちらも述語という同じ働きをしている。 一方で(2)の例文の「work」と(3)の例文の「work」は、同じ語だけども、(2)では述語、(3)では主語という違う働きをしている。
品詞とは?
品詞は文法を理解するうえで最も大切な概念だ。まずは定義をしっかり確認しておこう。
定義
語をその働きで分類したものを品詞(word class)という。
品詞の分類の流儀にはいくつかある。 このノートではひとまずざっくりと次の8品詞に分類することにしよう。
定義
- 主語の働きができる品詞を名詞(noun)という。
- 述語の働きができる品詞を動詞(verb)という。
- 名詞の前に置いて、その名詞を限定する働きを持った品詞を限定詞(determiner)という。
- 名詞を修飾する働きができる品詞を形容詞(adjective)という。
- 名詞以外を修飾する働きができる品詞を副詞(adverb)という。
- 名詞の前に置いて形容詞句や副詞句を作る働きができる品詞を前置詞(preposition)という。
- 2つの文をつなぐ働きができる品詞を接続詞(conjunction)という。
- 他の語を修飾したり他の語に修飾されたりしない品詞を間投詞(interjection)という。
たとえば「apple」や「pen」のように主語の働きができる語は「名詞」というグループ。 「walk」や「like」のように述語の働きができる語は「動詞」というグループでとらえる。
文法とは?
個々の語ではなく、品詞という一段抽象化したレベルで成り立つルールを文法と呼ぶことにしよう。
定義
品詞のレベルで成り立つルールを文法(grammar)という。
ちなみに個々の語に特有のルールは語法と呼ぶことにしよう。 ただし語法も含めて広い意味で文法と呼ぶこともあるので、一部の語法は文法書にも載っている。 でも語法は基本的には辞書で調べるものだ。
句とは?節とは?
英文法には「句」と「節」というとても便利な概念がある。 句や節という概念を使うと、いくつかの語の集まりをひとつの品詞としてとらえることができる。
定義
複数の語がまとまって、ひとつの品詞として働くもののうち、主語を含まないものを句(phrase)という。
たとえば次の例文を見てみよう。
This red pen was broken by him.
(この赤いペンは彼に壊された。)
この例文では「This red pen」は全体で名詞として働いているので名詞句、「was broken」全体は動詞として働いているので動詞句、「by him」は全体として副詞として働いているので副詞句とよばれる。 ただし「was broken by him」はこれ全体としても動詞として働いているので、これ全体を動詞句としてとらえることもできる。
ちなみに「by him」のことを、前置詞が作る副詞句という意味で前置詞句と呼ぶ人がいる。 でもそれだと、前置詞として働く句(例えば「in front of」など)との区別が紛らわしくなってしまうのでおまり良くないと思う。
定義
複数の語がまとまって、ひとつの品詞として働くもののうち、主語を含むものを節(clause)という。
たとえば次の例文を見てみよう。
I know the man who broke the pen because I saw the scene.
(私は現場を見たので、そのペンを壊した男を知っています。)
この例文では「who broke the pen」は主語whoを含み名詞manを修飾する形容詞として働いているので形容詞句とよばれ、 「because I saw the scene」は主語Iを含み文の前半を修飾する副詞として働いているので副詞句とよばれる。
ちなみにwhoが作る節という意味で「who broke the pen」をwho節、becauseが作る節という意味で「because I saw the scene」をbecause節と呼ぶこともある。
名詞の文法
それでは8つの品詞をひとつずつ見ていこう。 まずはapple、water、Japan、youなどの名詞から。 名詞の定義は「主語の働きができる語」だった。
名詞の働き
文法
名詞には主語や目的語や補語になる働きがある。
次の文では名詞のcatが主語の働きをしている。
The cat is cute.
(そのネコは可愛い。)
次の文では名詞のcatが目的語の働きをしている。
I like the cat.
(私はそのネコが好き。)
次の文では名詞のcatが補語の働きをしている。
My pet is the cat.
(私のペットはそのネコです。)
名詞の種類
名詞には大きく分けて次の4つの種類がある。
定義
- 数を数える名詞を可算名詞(countable noun)という。
- 数を数えない名詞を不可算名詞(uncountable noun)という。
- 唯一無二のものを指す名詞を固有名詞(proper noun)という。
- 他の名詞の代わりに使える名詞を代名詞(pronoun)という。
可算名詞はたとえばbookやfamilyなど、不可算名詞はたとえばwater、healthなど。 どちらになるかは名詞によって決まっているのではなく、その意味によって決まる。 例えば、fireは「火事」という意味では可算名詞だけども、「火」という意味では不可算名詞になる。 固有名詞はTaroやJapanなど。 この世にTaroという人はたくさんいるけども、どのTaroも変えの効かない唯一無二の存在なので固有名詞になる。 代名詞はyouやthisなどで、全部で67個ある。
人称とは?
定義
話し手との関係を表す名詞の形を人称(person)という。 話し手を表す人称を1人称(first person)、聞き手を表す人称を2人称(second person)、その他を表す人称を3人称(third person)という。
人称によって実際の形が変わる名詞は代名詞だけだ。 例えばIの1人称はI、2人称はyou、3人称はheとshe。
数とは?
定義
数を表す名詞の形を数(number)という。 対象がひとつである数を単数(singular)、2つ以上である数を複数(plural)という。
日本語では形であることを強調するために単数のことを単数形、複数のことを複数形ということが多い。 たとえばpenの単数形はpen、複数形はpens。 複数形は単数形の末尾にsを付けたものが多いけど、child(単数形)とchildren(複数形)のように不規則に変化するものもある。 代名詞にも数があり、たとえばIの単数形はI、複数形はwe。
格とは?
定義
文の中での働きを表す名詞の形を格(case)という。 主語の働きをする格を主格(nominative case)、目的語や補語の働きをする格を目的格(objective case)、限定の働きをする格を所有格(possessive case)という。
たとえばIの主格はI、目的格はme、所有格はmy。 代名詞以外の名詞は主格と目的格が同じ形をしていて、所有格では主格の後に「's」を付ける。 たとえば「cat」の所有格は「cat's」だ。
名詞の文法については次のノートに詳しくまとめている。
動詞の文法
つづいてwalk、love、be、canなどの動詞を見ていこう。 動詞の定義は「述語になれる品詞」だった。 動詞の文法は他の品詞の文法と比べてとても複雑だ。 動詞の文法を理解すれば英文法の7割を理解したと言っても良いくらいだと思う。
動詞の働き
動詞には大きく分けて2つの働きがある。
文法
動詞には述語になる働きと、名詞句や形容詞句や副詞句を作る働きがある。
定義
述語として働いている動詞を述語動詞(finite verb)、述語以外として働いている動詞を準動詞(nonfinite verb)という。
たとえば次の文では動詞studyが述語動詞として働いている。
I study English.
(私は英語を勉強する。)
これに対して、次の文では動詞studyが準動詞として名詞句「studying English」を作っていて、likeの目的語になっている。
I like studying English.
(私は英語を勉強することが好き。)
動詞の活用
動詞の形は色々と変化する。
定義
動詞の形が変わることを活用(conjugation)という。
具体的には次の5つの活用がある。
文法
動詞には原形(base form)、現在形(present form)、過去形(past form)、現在分詞形(present participle form)、過去分詞形(past participle form)という5つの活用があります。
原形というのは辞書に載っている形だ。 原則として、現在形は原形と同じか原形にsを付けた形、過去形は原形にedを付けた形、現在分詞形は原形にingを付けた形、過去分詞形は過去形と同じか原形にenを付けた形になる。 ただし全ての動詞に全ての活用があるわけではなく、逆にひとつの活用に複数の形がある動詞もある。 個別の動詞の活用については、最終的には辞書で確認するしかない。
動詞の型
定義
それだけで述語を作れる動詞を本動詞(main verb)といい、本動詞と一緒に使ってはじめて述語を作れる動詞を助動詞(auxiliary verb)という。
たとえばspeakは本動詞なのでそれだけで述語を作ることができ「I speak Japanese.」のような文を作ることができる。 これに対して、canは助動詞なのでそれだけでは述語を作ることができず「I can speak Japanese.」のように本動詞とセットになってはじめて文を作ることができる。
文法
本動詞には完全自動詞(complete intransitive verb)、不完全自動詞(incomplete intransitive verb)、完全他動詞(complete transitive verb)、不完全他動詞(incomplete transitive verb)という4つの型がある。
ちなみに完全自動詞を使った文を「第1文型」、不完全自動詞を使った文を「第2文型」のように呼ぶことも多いが、 本質的には文の型ではなくあくまで動詞の型なので、この呼び方は誤解を招くと思う。
文法
完全自動詞は目的語も補語も後ろに置かない。
不完全自動詞は補語を後ろに置く。
完全他動詞は目的語を後ろに置く。
不完全他動詞は目的語と補語を後ろに置く。
たとえば次は完全自動詞のswimを使った文だ。
He swims.
(彼は泳ぐ。)
次は不完全自動詞のseemを使った例文で、kindが補語になっている。
He seems kind.
(彼は親切に見える。)
次は完全他動詞のlikeを使った例文で、catsが目的語になっている。
He likes cats.
(彼はネコを好む。)
次は不完全他動詞のmakesを使った例文で、herが目的語、happyが補語になっている。
He makes her happy.
(彼は彼女を幸せにする。)
文法
助動詞には第一助動詞(primary auxiliary verb)と法助動詞(modal auxiliary verb)という2つの型がある。
第一助動詞は意味を持たず機能だけを持った助動詞で、do、be、haveの3つ。
法助動詞は話し手の主観を加える助動詞で、will、can、may、must、shall、dareの6つ。
第一助動詞はこのあと出てくる相や態などを操るために使われる。 法助動詞は、たとえばwillは「だろう」、mayは「かもしれない」などの主観を付け加える働きをする。
時とは
英語で時を表現するには現在時制、過去時制、進行相、完了相というシステムを組み合わせる必要がある。 そしてこのシステムを理解するためには、まず3つの「時」を区別する必要がある。
定義
話し手が発話している時点を発話時(speech time)、話者の関心がある時点を基準時(reference time)、事象(出来事)が発生している時間を事象時(event time)という。
たとえば話し手が「今朝は雪が降っていた。」と言った場合、これを言っている時点が発話時、今朝が基準時、雪が降っていた時間が事象時になる。 英語では発話時と基準時の関係を「時制」、基準時と事象時の関係を「相」というシステムで表す。
時制とは
英語には現在時制と過去時制という2つの時制がある。ちなみに未来時制はない。
定義
発話時と基準時の関係を表す述語の形を時制(tense)という。
基準時が発話時よりも前にある時制を過去時制(past tense)といい、そうでない時制を現在時制(present tense)という。
順番に見ていこう。
文法
現在時制では、述語の先頭の動詞を現在形にする。
過去時制では、述語の先頭の動詞を過去形にする。
※「先頭の」という部分は述語が長くなった場合の話なので今は気にしなくて大丈夫。
次の文では述語の動詞giveが現在形のgivesになっている。
He gives advice.
(彼はアドバイスを与える。)
次の文では述語の動詞giveが過去形のgaveになっている。
He gave advice.
(彼はアドバイスを与えた。)
相とは
時制とは独立した概念に相というものがあり、英語には進行相と完了相という2つの相がある。
定義
基準時と事象時の関係を表す述語の形を相(aspect)という。
事象時と基準時が重なっている相を進行相(progressive aspect)といい、事象時が基準時よりも前にある相を完了相(perfect aspect)という。
進行相と完了相の作り方は次の通り。
文法
進行相では述語をbe+現在分詞形の形にする。
完了相では述語をhave+過去分詞形の形にする。
次の文は進行相なので第一助動詞is+現在分詞形givingの形になっている。
He is giving advice.
(彼はアドバイスを与えている。)
次の文は完了相なので第一助動詞has+過去分詞形givenの形になっている。
He has given advice.
(彼はアドバイスを与えたところだ。)
態とは
ここまでの例文はすべて能動態だった。英語には能動態の他に受動態がある。
定義
主体と行為との関係を表す述語の形を態(voice)という。
主体が行為を行う側である態を能動態(active voice)といい、行為を受ける側である態を受動態(passive voice)という。
受動態の作り方は次の通り。
文法
受動態の文では述語をbe+過去分詞形の形にする。
能動態の文「He gives advice.」を受動態に書き換えると次のようになる。
He is given advice.
(彼はアドバイスを与えられる。)
法とは
ここまでの例文はすべて直説法だった。英語には直説法の他に仮定法と命令法がある。定義
話し手の態度を表す述語の形を法(mood)という。
事実を表す法を直説法(indicative mood)、想いを表す法を仮定法(subjunctive mood)、命令を表す法を命令法(imperative mood)という。
文法
仮定法では述語の先頭の動詞を過去形にする。
命令法では述語の先頭の動詞を原形にする。
直説法の文「Somebody gives advice.」を仮定法に書き換えると次のようになる(形だけでは現在時制の過去形と区別できない)。
Somebody gave advice.
(誰かがアドバイスをしたらなあ。)
命令法に書き換えると次のようになる(命令法なのでgivesにはならない)。
Somebody give advice.
(誰かがアドバイスをしなさい。)
法助動詞
英語の法助動詞はcan、will、must、may、shall、dareの6つ。 法助動詞を使うと、動詞に義務や意志や能力などの話し手の主観を追加することができる。
文法
法助動詞は述語の先頭に置き、その直後の動詞を原形にする。
たとえば「He gives advice.」に法助動詞を加えると、次のように直後の動詞が原形になって主観が加わる。
He will give advice.
(彼はアドバイスを与えるだろう。)
He must give advice.
(彼はアドバイスを与えるにちがいない。)
準動詞
述語動詞ではない動詞の働きを準動詞と呼ぶのだった。 「to+原形」「現在分詞形」「過去分詞形」の3つの形は準動詞として働くことができる。 「現在形」と「過去形」は準動詞にはなれない。
文法
動詞の「to+原型」は名詞句、形容詞句、副詞句を作り、句の中で動詞として働くことができる。
次の例文では名詞句「to give advice」がwantの目的語になっている。
I want to give advice.
(彼はアドバイスを与えることを望む。)
文法
動詞の「現在分詞形」は名詞句、形容詞句、副詞句を作り、句の中で動詞としてはたらくことができる。
次の例文では名詞句「giving advice」がlikeの目的語になっている。
He likes giving advice.
(彼はアドバイスを与えることを好む。)
文法
動詞の「過去分詞形」は形容詞句や副詞句を作り、句の中で動詞としてはたらくことができる。
次の文では形容詞句「given advice」がmanを修飾している。
He knows a man given advice.
(彼はアドバイスを与えられた男性を知っている。)
動詞の文法については次のノートにさらに詳しくまとめている。
形容詞の文法
3つめはred、longなどの形容詞。 形容詞の定義は「名詞を修飾する働きを持った語」だった。
修飾語としての働き
文法
形容詞は名詞の直前か直後に置いて、全体として名詞句を作る。
基本的には、語で修飾する場合は次のように名詞の直前に置く。
This is a long pen.
(このペンは長いペンだ。)
この例文では形容詞longが名詞penを修飾していて、a long pen全体として名詞句を作っている。
補語としての働き
文法
形容詞は補語の働きができる。
次の例文では、形容詞longが補語になっている。
This pen is long.
(このペンは長い。)
形容詞の級とは?
形容詞には3つの形があり、それらを使い分けることで比較の表現を作ることができる。
定義
比較を表すための形容詞の形を級(degree)という。
比較をしない場合でも使える級を原級(positive degree)、2つの物事を比較するための級を比較級(comparative degree)、3つ以上の物事を比較するための級を最上級(superlative degree)という。
辞書に載っている元の形が原級だ。
比較級は原級の語尾にerをつけるか、more+原級の形になることが多い。 たとえばlongの比較級はlongerで、importantの比較級はmore importantだ。 少ないけど例外もあって、たとえばgoodの比較級はbetterという全然違う形になる。
最上級は原級の語尾にestをつけるか、most+原級の形になることが多い。 たとえばlongの最上級はlongestで、importantの最上級はmost important。 少ないけど例外もあって、たとえばgoodの最上級はbest。
形容詞の形を使い分けると比較の表現を作ることができる。 例えば次の例文は比較級longerを使って「このペン」と「私のペン」の「長さ」を比較している。
This pen is longer than mine.
このペンは、より長い、私のよりも。
(このペンは私のペンよりも長い。)
形容詞の文法については次のノートにさらに詳しくまとめている。
副詞の文法
4つめはveryやreallyなどの副詞を見ていこう。 副詞の定義は「名詞以外を修飾する品詞」だった。 名詞以外というのは、具体的には動詞や形容詞や副詞や文全体を修飾する。
副詞の働き
文法
副詞は動詞や形容詞や副詞や文の前後に置くことで、それらを修飾できる。
たとえば次の文では副詞のreallyが動詞のlikeを修飾している。
He really likes soccre.
(彼はサッカーがとても好き。)
副詞の級とは
副詞には3つの形があり、それらを使い分けることで比較の表現を作ることができる。
定義
比較を表すための副詞の形を級(degree)という。 比較をしない場合でも使える級を原級(positive degree)、2つの物事を比較するための級を比較級(comparative degree)、3つ以上の物事を比較するための級を最上級(superlative degree)という。
副詞の級を使い分けると比較の表現を作ることができる。 次の例文はfastの比較級fasterを使って「彼」と「私」の「速さ」を比較している。
He runs faster than her.
(彼はより速く走る、彼女よりも。)
副詞の文法については次のノートに詳しくまとめてある。
限定詞の文法
5つめはthe、my、everyなどの限定詞。 限定詞の定義は「名詞の前に置いて、その名詞が表す範囲を限定する働きを持った品詞」だった。 たとえば次の例のように「どのペンか?」を限定する。
this pen(このペン)
your pen(あなたのペン)
some pens(いくつかのペン)
all pens(すべてのペン)
限定詞+名詞の全体としては名詞句になる。
限定詞は形容詞に似ているけども、形容詞が「long pen」や「blue pen」のように「どんなペンか?」を表すのに対して、限定詞は「どのペンか?」を表す。
また形容詞が「long blue pen」のように2つ以上重ねて使うことができるのに対して、限定詞は「this my pen(誤)」のように重ねて使うことはできない。
限定詞は数が限られているので、次のノートに一覧をまとめてある。
前置詞の文法
6つめはat、on、inなどの前置詞。 前置詞の定義は「前置詞+名詞で全体として形容詞句や副詞句を作る働きがある品詞」だった。 そして前置詞の後ろ名詞を前置詞の目的語と呼ぶのだった。
たとえば次の文では「前置詞+名詞」つまり「in the room」が形容詞句として名詞「book」を修飾している。
The book in the room is mine.
(部屋の中の本は私のものだ。)
ところが次の文では同じ「in the room」が副詞句として動詞「is」を修飾している。
The book is in the room.
(その本は部屋の中にある。)
このように、前置詞が作る句が形容詞句なのか副詞句なのかは、前置詞やその目的語によって決まるのではなく、あくまで文の中での働きできまる。 ただし次の例文のように文脈から判断しないといけない場合もあるので厄介。
He is reading the book in the room.
この場合「in the room」が副詞句として動詞「read」を修飾していて「部屋の中で読んでいる」という意味になるのか、 それとも形容詞句として名詞「book」を修飾していて「部屋の中の本」という意味になるのかは、文法的には判断できず、文脈から判断するしかない。
前置詞の目的語には名詞句や名詞節を置くこともできる。 たとえば次の文では名詞句「speaking English」が前置詞「at」の目的語になっている。
She is good at speaking English.
(彼女は英語を話すことに長けている。)
また次の文では名詞節「where it was」が前置詞「to」の目的語になっている。
You have to return the book to where it was.
(あなたはその本を元あったところに返さないといけない。)
ちなみに前置詞の目的語はあくまで目的語なので、代名詞の場合は目的格の形になる。 たとえば「for he」ではなく「for him」、「to I」ではなく「to me」のようになるので注意。
前置詞は数が限られているので、次のノートに一覧をまとめてある。
接続詞の文法
7つめはand、if、becauseなどの接続詞。 接続詞の定義は「文と文をつなげてひとつの文を作る働きを持った品詞」だった。 接続詞には、節を作る接続詞と節を作らない接続詞がある。 節というのは「主語を持った語のカタマリで、全体としてひとつの品詞の働きをするもの」だった。
等位接続詞
定義
節を作らない接続詞を等位接続詞(coordinating conjunction)という。
等位接続詞にはandやsoなど全部で8個ある。 たとえば「I like cats.」という文と「He likes dogs.」という2つの文をandという接続詞でつなぐと、
I like cats and he likes dogs.
(私はネコが好きで彼は犬が好き。)
という1つの文を作ることができる。 andによって2つの文が1つの文にまとめられたけれども、特に新しい節は作られていないことに注目。
従属接続詞
定義
節を作る接続詞を従属接続詞(subordinating conjunction)という。
従属接続詞にはthatやbecauseなどたくさんある。 たとえば「I know it.」という文と「He likes dogs.」という文をthatという接続詞でつなぐと、
I know that he likes dogs.
(私は彼がネコ好きということを知っている。)
という1つの文をつくることができる。 接続詞thatがつくる節「that he likes dogs」は名詞節として動詞knowの目的語になっていることに注目。 ちなみに接続詞が作る節は従属節と呼ばれることがある。 接続詞は、このような名詞節だけではなく、副詞節や形容詞節を作ることもできる。
接続詞の文法は少し複雑なので、次のノートに詳しくまとめている。
また接続詞は数が限られているので、次のノートに一覧をまとめている。
間投詞の文法
8つめは「ok」や「wow」などの間投詞。 間投詞の定義は「他の品詞を修飾したり他の品詞に修飾されたりしない品詞」だった。 間投詞にはあいさつや、あいづち、鳴き声などがある。 「ok」や「wow」の他にも「good morning(おはよう)」や「you know(ほら)」のように2語以上のカタマリでひとつの間投詞になるものもある。 間投詞は他の品詞を修飾したり他の品詞に修飾されたりすることがないので、自由に使うことができる。 例えば
Wow!
のように一語で文を作ることもできるし、
Wow, he is kind.
のように接続詞も前置詞も使わないで文に付けたり文の合間に挟んだりすることもできる。 よく使う間投詞を次のノートにまとめてある。
倒置と省略と挿入
英語でも、語を入れ替えたり、省いたり、加えたりすることがある。
倒置
定義
述語動詞が主語の前に出る現象を倒置(inversion)という。
倒置の代表例は疑問文だ。 たとえば「He is kind.」という文を疑問文にすると次のように述語動詞isが主語heの前に出る。
Is he kind?
(彼は親切ですか?)
倒置のもうひとつの代表例はThereで始まる文。 たとえば「Cats are.」という文は先頭に副詞のThereを置くと、述語動詞のareが主語catsの前に出る。
There are cats.
(ネコたちが居る。)
倒置については次のノートに詳しくまとめてある。
省略
定義
重複する語や無くても明らかな語を省くことを省略(ellipsis)という。
たとえば「He is kind and He is brave.」という文の重複している部分を省略すると次のようになる。
He is kind and brave.
(彼は親切で勇敢だ。)
省略については次のノートに詳しくまとめてある。
挿入
定義
文法的には関係ない注釈をカンマで挟んで加えることを挿入(insertion)という。
たとえば「He is kind.」という文に「I think」を挿入して次のようにすることができる。
He is, I think, kind.
(彼は、私が思うに、親切だ。)
同格という特殊な挿入もある。
定義
名詞の直後に挿入する名詞を同格(apposition)という。
たとえば「He is kind.」という文のheに「my frined」という同格を挿入して次のようにすることができる。
He, my friend, is kind.
(私の友達の彼は親切だ。)
文法
同格の挿入ではカンマを省略できる。
He my friend is kind.
(私の友達の彼は親切だ。)
同格の挿入には名詞や名詞句だけではなく、次の例文のように名詞節を入れることもできる。
The fact that he is kind is well known.
(彼が親切だという事実はよく知られている。)
上の例文では「that he is kind」という名詞節が「The fact」の同格として挿入されている。
まとめ
- 一定の意味や機能を持った文字の並びを語という。
- 大文字で始まり.や?や!で終わる1語以上の語の集まりを文という。
- 文の中で「〜が」にあたる部分を主語という。
- 文の中で「〜する」「〜だ」にあたる部分を述語という。
- 文の中で「〜を」や「〜に」にあたる部分を目的語という。
- 文の中で主語や目的語とイコールになる部分を補語という。
- 文の中で「いつ」「どこで」「なぜ」「どのように」「どのくらい」などの補足を加える働きを修飾という。
- 文の中で修飾している部分を修飾語という。
- 対象の範囲を明確にする働きを限定という。
- 語をその働きで分類したものを品詞という。
- 主語の働きができる品詞を名詞という。
- 述語の働きができる品詞を動詞という。
- 名詞を限定する働きができる品詞を限定詞という。
- 名詞を修飾する働きができる品詞を形容詞という。
- 名詞以外を修飾する働きができる品詞を副詞という。
- 名詞の前に置いて形容詞句や副詞句を作る働きができる品詞を前置詞という。
- 2つの文をつなげてひとつの文にする働きができる品詞を接続詞という。
- 修飾したり修飾されたりする働きがない品詞を間投詞という。
- 品詞のレベルで成り立つルールを文法という。
- 複数の語がまとまってひとつの品詞として働くもののうち、主語を含むものを節、含まないものを句という。
- 名詞には主語や目的語や補語になる働きがある。
- 名詞には可算名詞、不可算名詞、固有名詞、代名詞がある。
- 話し手との関係を表す名詞の形を人称といい、1人称、2人称、3人称がある。
- 数を表す名詞の形を数(すう)といい、単数と複数がある。
- 文の中での働きを表す名詞の形を格といい、主格、目的格、所有格がある。
- 動詞には述語動詞と準動詞がある。
- 動詞の形が変わることを活用といい、原形、現在形、過去形、現在分詞形、過去分詞形がある。
- 単体で述語を作れる動詞を本動詞といい、作れない動詞を助動詞という。
- 本動詞には完全自動詞、不完全自動詞、完全他動詞、不完全他動詞がある。
- 完全自動詞の後ろには目的語も補語も置けない。
- 不完全自動詞の後ろには補語を置く。
- 完全他動詞の後ろには目的語を置く。
- 不完全他動詞の後ろには目的語と補語を置く。
- 助動詞には第一助動詞と法助動詞がある。
- 発話時と基準時の関係を表す述語の形を時制という。
- 基準時が発話時より前にある時制を過去時制といいそうでない時制を現在時制という。
- 現在時制では述語の先頭の動詞を現在形にする。
- 過去時制では述語の先頭の動詞を過去形にする。
- 基準時と事象時の関係を表す述語の形を相という。
- 事象時と基準時が重なっている相を進行相という。
- 事象時が基準時より前にある相を完了相という。
- 進行相では述語の形をbe+現在分詞形にする。
- 完了相では述語の形をhave+過去分詞にする。
- 主体と行為との関係を表す動詞の形を態という。
- 主体が行為を行う側である態を能動態という。
- 主体が行為を受ける側である態を受動態という。
- 話し手の態度を表す述語の形を法という。
- 事実を表す法を直接法という。
- 想いを表す法を仮定法という。
- 命令を表す法を命令法という。
- 仮定法では述語の先頭の動詞を過去形にする。
- 命令法では述語の先頭の動詞を原形にする。
- 法助動詞は述語の先頭に置き、直後の動詞を原形にする。
- 動詞のto+原形は名詞句、形容詞句、副詞句を作り、句の中で動詞として働く。
- 動詞の現在分詞形は名詞句、形容詞句、副詞句を作り、句の中で動詞として働く。
- 動詞の過去分詞形は形容詞句や副詞句を作り、句の中で動詞として働く。
- 形容詞は名詞の隣に置いて全体として名詞句を作る。
- 形容詞は補語の働きをする。
- 比較を表すための形容詞や副詞の形を級という。
- 比較しなくても使える級を原級という。
- 2つの物事を比較するための級を比較級という。
- 3つ以上の物事を比較するための級を最上級という。
- 副詞は動詞、形容詞、副詞、文を修飾できる。
- 節を作らない接続詞を等位接続詞という。
- 節を作る接続詞を従属接続詞という。
- 述語が主語の前に出る現象を倒置という。
- 重複する語や無くても明らかな語を省くことを省略という。
- 注釈をカンマで挟んで加えることを挿入という。
- 名詞の直後に挿入する名詞を同格という。