英語の「倒置」の種類と文法

英語  YOSHIKI  2025.3.11  2025.3.11

英語で、動詞が主語の前に出る現象を「倒置」という。このノートでは倒置が起こるパターンの種類と、どのように倒置が起こるのかを一覧にまとめてみた。

もくじ

英語の倒置とは

定義

述語動詞が主語の前に出る現象を倒置(inversion)という。

英語は日本語と比べて何倍も語順が大切な言語だから、語順が変わるというのは一大事。 英語で倒置が起こるパターンは主に「疑問文」「There文」「文頭に特定の副詞」「文頭に比較級や最上級」「祈願文」の5つ。 ひとつずつ詳しく見ていこう。

疑問文

倒置の代表例は何といっても「疑問文」だ。 疑問文というのは「〜ですか?」と相手に何かを問う文のこと。 あまりに早い学習段階で習うので初歩的な文法だと思われがちだけど、実は倒置という高度な文法項目。

疑問文では、それが疑問文だよってことが一発で分かるように、倒置が起きて動詞が前に出る。

たとえば「He is kind.」という文を疑問文にすると、 動詞isが主語の前に出て次のようになる。

Is he kind?
(彼は優しい?)

be以外の動詞の場合は、基本的に助動詞だけが主語の前に出る。 たとえば「You can read English.」を疑問文にすると、次のように助動詞canが前に出る。

Can you read English?
(英語読める?)

一般動詞の場合は省略されている助動詞doを主語の前に出す。 たとえば「You (do) speak English.」を疑問文にすると次のようになる。

Do you speak English?
(英語話せる?)

完了の文も見ておこう。 たとえば「You have finished your homework.」を疑問文にすると、助動詞haveが前に出る。

Have you finished your homework?
(宿題終わった?)

ノーマルな文の文末に倒置の形を置くこと、「だよね?」と念を押す表現になる(付加疑問文)。

He is kind, isn't it?

You can read English, can't you?

You speak English, doesn't you?

You have finished your homework, haven't you<,/strong>?

There文

英語の文は基本的には「聞き手が知っている情報」から「聞き手が知らない情報」へ流れる。 だから、たとえば「A pen is on the table.(あるペンがテーブルの上にある)」という文は、文法的には100%正しいのだけど、 「a pen」という聞き手が知らない情報が文頭に来てしまって都合が悪い。 そこで「There is」で何かが存在するよ〜という情報を先に示しておいて、次のような形にするのが一般的。

There is a pen on the table.
(テーブルの上にペンがあります。)

この通り動詞isが主語の前に出ているので倒置が起きている。 thereには目印以上の意味はありませんが、thereがないと「Is a pen on the table?」となってただの疑問文になってしまうので、thereは大切な役割を果たしている。

ちなみに「a pen」ではなく「the pen」の場合は「The pen is on the desk.(そのペンはテーブルの上にある)」で自然なので、 「There is the pen on the desk.」にすると逆に不自然になる。

if無し仮定法

仮定法でも倒置が起こることがある。 ifがある仮定法の文では、動詞を前に持ってくることで、ifを省略することができる。 ただし、これができるのはwere、had、shouldが使われている場合だけだ。

たとえば、

If you should have any question, feel free to contact us.
(もし質問があれば、遠慮なくご連絡ください。)

という文のifを無くしてShouldを前に持ってくると、

Should you have any questions, feel free to contact us.
(質問がおありでしたら、遠慮なくご連絡ください。)

となる。 Ifがある表現よりもフォーマルで、書き言葉でよく使われる。 いくつか例を見てみよう。

Should you need help, please ask.
(助けが必要でしたら、どうぞ聞いてください。)

Should it rain tomorrow, the event will be postponed.
(明日雨が降ったら、イベントは延期されます。)

Should he call, tell him I'm out.
(彼から電話があったら、私は外出中だと伝えてください。)

Should you change your mind, let me know.
(もし気が変わったら、知らせてください。)

Wereのパターンも見てみよう。

Were I rich, I would travel the world.
(もし私がお金持ちなら、世界中を旅行するのに。)

Were it sunny today, we could go to the beach.
(もし今日晴れていたら、ビーチに行けるのに。)

最後にHadのパターン。

Had I known, I would have helped.
(もし知っていたら、助けたのに。)

Had she studied, she would have passed.
(もし彼女が勉強していたら、合格しただろうに。)

Had we left earlier, we would have arrived on time.
(もしもっと早く出発していたら、時間通りに着いただろうに。)

文頭に否定の副詞

否定のニュアンスがある副詞や副詞句や副詞節が入っている文は、文頭に副詞を持ってきて、その後ろを倒置すると、否定の意味を強調できる。 たとえば「I have never seen such a beautiful sky.」という文は次のように書き換えることができる。

Never have I seen such a beautiful sky.
(こんなに美しい空は見たことがない。)

否定の意味の副詞neverを文頭に置かれていて、助動詞haveが主語Iの前に倒置されている。 否定のニュアンスの副詞には、たとえば次のようなものがある。

  • Never
  • Not
  • Hardly
  • Little
  • Rarely
  • Only
  • Seldom
  • Nor
  • Nowhere

もう少し例文を見てみよう。

Little did I know about the surprise party.
(サプライズパーティーのことは一切知らなかった。)

Rarely does he go out.
(彼が出かけることはめったにない。)

Nowhere could I find my keys.
(どこにも鍵が見つからなかった。)

副詞句や副詞節の場合でも同じ。

Not a single word did he say.
(彼は一言も言わなかった。)

Not until I saw it with my own eyes did I believe it.
(自分の目で見るまで、私はそれを信じなかった。)

文頭に場所の副詞

場所を表す副詞や副詞句を文頭に持ってくることで、注意をひいたり、期待感を持たせることができる。 この場合、副詞の後ろでは倒置が起こる。

たとえば「The bus comes here.」という文をこのルールで変形すると次のようになる。

Here comes the bus.
(ほら、バスが来たよ。)

この例では、場所を表す副詞のhereが文頭に出て、動詞のcomesが主語Iの前に倒置されている。

場所を表す副詞や副詞句には、たとえば次のようなものがある。

  • Here
  • There
  • In the 〜
  • On the 〜

もう少し例文を見てみよう。

There lived a wise old man in the village.
(村には賢い老人が住んでいた。)

In the garden stood a beautiful statue.
(庭には美しい像が立っていた。)

At the end of the road stands a tall lighthouse.
(道の突き当たりには、高い灯台が立っている。)

ただし主語が代名詞のときは、倒置は起らない。 たとえば「Here it is.(はいどうぞ。)」など。

文頭にSoやNeither

たとえば相手が「I'm hungry.」と言った場合に「私も」と返すとき、次のような倒置表現が使われることがある。

So am I.

元の文は「I am so.」だけど、副詞Soが文頭に出ることで倒置が起こって、動詞amが主語amの前に出ている。 否定の場合はSoの代わりにNeitherを使うので、「私は空いてない」と返す場合は次のようになる。

Neither am I.

be動詞以外の場合も見ておこう。 たとえば「I like math.」に対して「私も」と返す場合は次のようになる。

So do I.

助動詞がある場合は助動詞をそのまま倒置する。 また、主語はI以外でも大丈夫。 たとえば「I can swim.」に対して「彼は泳げない」と返す場合は次のようになる。

Neither can he.

heは主語なので目的格のhimではなく主格のheを使うことに注意。 ちなみにこの倒置は返答以外でも使える。 たとえば次のような感じ。

He has been to Kyoto, and so has she.
(彼は京都に行ったことがあって、彼女も行ったことがある。)

文頭に比較級や最上級

比較級や最上級が補語にある場合、主語を強調するために補語を文頭に出して、動詞が倒置されることがある。 たとえば「Money is more important.(お金はより大切だ。)」という文を次のように変形すると「お金」を強調することができる。

More important is money.
(より大切なのはお金だ。)

この例文では比較級が含まれる補語「more important」が文頭に出て、動詞isが主語moneyの前に倒置されている。 もう少し例文を見てみよう。

Taller is my brother.
(背が高いのは兄です。)

Most expensive is the red car.
(最も高価なのは、その赤い車です。)

祈願文

祈ったり願ったりする「祈願文」でも倒置が起こることがある。 ただし古風だったりフォーマルだったり決まった場面で使われることが多く、日常会話で使われることはほとんどないらしい。

たとえば「Your dreams may come true.(あなたの夢が叶うかもしれない。)」という文を祈願文にすると次のようになる。

May your dreams come true.
(あなたの夢が叶いますように。)

他にも次のような祈願文があります。

May God bless you.
(神のご加護がありますように。)

May peace prevail on Earth.
(世界が平和でありますように。)

May you have a wonderful day.
(素晴らしい一日になりますように。)

May you succeed in your endeavors.
(あなたの努力が実りますように。)

May you always be healthy.
(あなたがいつも健康でありますように。)

May you be safe on your journey.
(あなたの旅路が安全でありますように。)

感嘆文

最後はおまけ。 「なんて綺麗なんだ!」のように、感動、驚き、喜び、悲しみなど、強い感情を表す文を感嘆文という。 感嘆文では補語が主語の前に出る。 厳密には倒置ではないけども、普通の文とは語順が違うのでここでまとめておく。

例えば「She is so kind.(彼女はとても優しい。)」という文を感嘆文にすると次のようになる。

How kind she is! (彼女はなんて優しいんだ!)

また「She is a very kind girl.(彼女はとても優しい女性だ。)」という文を感嘆文にすると次のようになる。

What a kind girl she is! (彼女はなんて優しい女性なんだ!)

関連

参考