英語の仮定表現まとめ

英語  YOSHIKI  2025.4.24  2025.4.24

英語の仮定法を使った表現をまとめてみた。

もくじ

仮定法とは

英語には直接法命令法仮定法という3つのモード(法)がある。 このうち仮定法は、事実とは異なる物事を表現するときに使うモードだ。 仮定法では、述語動詞(の先頭)を過去形にするというルールがある。

例えば次の文は直接法だ。

I have much money.

この文の述語動詞haveを過去形に変えてみよう。

I had much money.

これは直接法の過去時制で「私はたくさんお金を持っていた。」という意味なのだろうか? それとも仮定法で「私がたくさんお金を持っていたらな。」という意味なのだろうか? 純粋に文法的な観点だけからすればどちらの可能性もあり得るが、実際にはほぼ確実に、仮定法ではなく直接法の過去時制だと解釈される。

ではこれを「仮定法だよ」と伝えるにはどうすれば良いか? それは「I wish〜」や「If〜」などの「仮定法だよ」と伝わる「目印」を追加することだ。 例えば次のような感じ。

I wish I had much money.

これなら確実に仮定法だと解釈される。 このノートではそのような仮定法の「目印」をまとめてみた。

Ifを使った仮定表現

基本

一番シンプルなのはifを使って「これはもしもの話だよ」と明示する表現だ。 主節の助動詞にはwouldやcould、mightが使われる。

If I had much money, I would buy a car.
もし(いま)私がたくさんお金を持ったなら、(いま)車を買っただろう。

完了相にすると過去のニュアンスがでる。

If I had had much money, I would have bough a car.
もし(あのとき)私がたくさんお金を持っていたなら、(あのとき)車を買っていたただろう。

前半だけ完了相にしても良い。

If I had had much money, I would buy a car.
もし(あのとき)私がたくさんお金を持っていたなら、(いま)車を買っただろう。

to不定詞と組み合わせて未来の仮定のニュアンス。単純な未来の仮定ではなく万が一というニュアンスも含む。

If I were to have much money, I would buy a car.
仮に(いつか)私がたくさんお金を持つならば、(そのとき)車を買うだろう。

shouldを使っても未来の仮定のニュアンスがだせる。

If I should have much money, I would buy a car.
万が一(いつか)私がたくさんお金を持つならば、(そのとき)車を買うだろう。

as if

as if SVで「まるでSがVするかのように」という慣用表現になる。

He talks as if he had much money.
彼はまるで彼がたくさんお金を持っているかのように話す。

as ifの代わりにas thoughを使っても同じ意味になる。

He talks as though he had much money.
彼はまるで彼がたくさんお金を持っているかのように話す。

talkの他にlookやplayなども使われる。

She looks as if she were a princess.
彼女はまるでお姫様であるかのように見える。

完了相にすれば過去の意味になる。

She looks as if she had been a princess.
彼女はまるでお姫様であったかのように見える。

if only

if only〜で「〜でありさえすれば」という慣用表現になる(後で出てくるI wishとほぼ同じ意味)。 If onlyで始まる文は主節を省略することができる。 たとえば次の文を見てみよう。

If only I had much money, I could by a car.
たくさんお金を持ってさえいれば、車を買えるのに。

この文は主節を省略して次のように言うことができる。

If only I had much money.
たくさんお金を持ってさえいればなあ。

もちろん完了相にもできる。

If only I had had much money.
たくさんお金を持ってさえいたらなあ。

if it were not for

if it were not for〜で「もし〜がなければ」という慣用表現になる。

If it were not for your help, I would fail.
もし(いま)あなたの助けがなければ、私は失敗するだろう。

if it had not been for

if it had not been for〜で「もし〜がなかったら」という慣用表現になる。

If it had not been for your help, I would have failed.
もし(あのとき)あなたの助けがなかったら、私は失敗していただろう。

wishを使った仮定表現

wishを使って「これは願望だよ」と明示する表現もある。 上に出てきたIf onlyとほぼ同じ意味だ。

I wish I had much money.
お金を(いま)たくさん持ってたらなと(いま)思う。

次のように、述語動詞を過去時制に変えると、従属節も過去の願望になる。

I wished I had much money.
お金を(あのとき)たくさん持ってたらなと(あのとき)思った。

従属節を完了相に変えると次のようになる。 ひとつめのhadは完了相を作る助動詞のhaveで、仮定法なので過去形hadになっている。 ふたつめのhadは本動詞のhaveで、完了相なので過去分詞形のhadになっている。

I wish I had had much money.
お金を(あのとき)たくさん持ってたらなと(いま)思う。

次の文は主節を過去時制、従属節を完了相にしたもの。

I wished I had had much money.
お金を(あのとき)たくさん持ってたらなと(あのとき)思った。

未来のことを表したい場合、自分のことならcouldを使う。

I wish I could have much money.
(いつか)たくさんお金を持てたらなと(いま)思う。

自分以外のことならwouldを使う。

I wish he would have much money.
彼が(いつか)たくさんお金を持ったらなと(いま)思う。

倒置を使った仮定表現

ifを使った仮定表現でwere、had、shouldが含まれる場合は、これらを文頭に出して倒置するとifが省略される。 ifを使った表現よりもフォーマルになり、書き言葉でより使われる。

Were

たとえば「If I were a bird, I could fly.」という文は次のようにも書ける。

Were I a bird, I could fly.
私が鳥だったら飛べるのに。

Had

たとえば「If I had known, I would have helped.」という文は次のようにも書ける。

Had I known, I would have helped.
もし知っていたら助けたのに。

Should

たとえば「If you should need help, please ask.」という文は次のようにも書ける。

Should you need help, please ask.
助けが必要でしたらどうぞ聞いてください。

準動詞を使った仮定表現

準動詞の副詞的用法を使って仮定を表現する方法もある。

to不定詞

To get advice, you would succeed.
アドバイスをもらえば、あなたは成功するだろう。

現在分詞

Getting advice, you would succeed.
アドバイスをもらえば、あなたは成功するだろう。

過去分詞

Given advice, you would succeed.
アドバイスをもらえば、あなたは成功するだろう。

withなどを使った仮定表現

with

with〜で「〜があれば」という仮定表現になる。

With your help, I could succeed.
あなたの助けがあれば、私は成功するだろう。

With your help, I could have succeeded.
あなたの助けがあれば、私は成功しただろう。

without

without〜で「〜がなければ」という仮定表現になる。

Without your help, I would fail.
あなたの助けがなければ、私は失敗するだろう。

Without your help, I would have failed.
あなたの助けがなければ、私は失敗しただろう。

but for

but for〜で「〜がなければ」という仮定表現になる。 but forはwithout書よりもき言葉でより使われる。

But for your help, I would fail.
= Without your help, I would fail.

it's timeを使った仮定表現

it's time

it's time SVで「もうSVしてもよいころだ」という慣用表現になる。

It's time you went to bed.
もう寝てもよい時間だよ。

it's about time SVで「そろそろSVする時間だ」という慣用表現になる。

It's about time you went to bed.
そろそろ寝る時間だよ。

it's hight time SVで「とっくにSVする時間だ」という慣用表現になる。

It's hight time you went to bed.
とっくに寝る時間だよ。

supposeを使った仮定表現

suppose(〜だと仮定する)を使うと仮定の表現を作れる。

Suppose that you were rich, what would you buy?
もしあなたがお金持ちだったと仮定して、何を買いたい?

※このthatは省略できる。

otherwiseを使った仮定表現

接続詞のotherwise(そうでなければ)を使うと仮定の表現を作れる。

I am busy now; otherwise, I would help you.
今は忙しいです。そうでなければ、あなたを手伝うのですが。

関連

参考